逆さクラゲ

長い文章

リッキー・デュコーネイ: 産まれぬ神の子(翻訳)

Rikki Ducornet: The Beast (from The Complete Butcher's Tales) 産まれぬ神の子 ぼくはけものの胃の中に住んでいる。ぼくは彼女を育てながら、そこで眠っている。彼女はぼくに優しい。ふかふかとして、あたたかい。 彼女がぼくを食べたとき、その目は愛に…

リッキー・デュコーネイ: 刺青女の物語(翻訳)

The Complete Buther's Tales 翻訳の第2回 The Tale of Tattooed Woman です。最初と最後のパラグラフの訳がいちばん不自然でウケる。 刺青女の物語 欠点はわたしの美しさを高めるものなの、びっくり人間がもっと尊敬される時代だったなら、男たちはお金以上…

リッキー・デュコーネイ: 友情 (翻訳)

Rikki Ducornetの短編集The Complete Butcher's Tales より、 Friendship の翻訳です。 デュコーネイは1943年ニューヨーク生まれの女性作家・アーティスト。岸本佐知子編訳『居心地の悪い部屋』に収録されている「分身 (The Double) 」という作品がずっと気…

『ナディア・ブーランジェとの対話』 ブルノー・モンサンジャン 佐藤祐子訳 音楽之友社

音楽家の師は、自らもまた教授する分野を専門とする高名な作曲家や演奏家であることが多いのだが、たくさんの作曲家・演奏家を育てた20世紀フランスの指揮者/作曲家/演奏家(もっとも作曲はかなり早い時期に断念している)、ナディア・ブーランジェ(Boulang…

雑記 7/28

すれ違う人みなが一様に醜く、彼ら彼女らの欠点や不快感が10倍にも20倍にもなって強烈にたちのぼり嗚咽をもたらすにおいとして迫ってくる、にきびが多い、笑顔が汚い、口から牡蠣の燻製のにおいがする、電車の中にいて歯くそをとる(指で)、笑い声がアトラン…

辞める

中3の頃に悪の組織の人に捕まって、将来のことを考えようとすると途端に思考がぼやけて気を失う手術を施されている。下高井戸のカフェ「からすむぎ」で別に美味しくないコーヒーと俄仕込みの各国料理を出しながら食べログで3.2ぐらいをとって7,8人の固定客と…

日記 たなばた

高円寺駅から総武線各駅停車千葉ゆきに乗って座席のよく考えたらそこだけ妙に空いてる区画に座り込んだんだが、ドア脇を見るとビッグダディ式にタオル巻いた坊主頭のお兄さん(推定土方、推定中卒)の足元に彼(推定土方、推定中卒)の胃の内容物が黄河のごとく…

雑記 6/15

少年のチンチン眺める以外にすることがないわけでもないんだが、最近は週一ぐらいの頻度で銭湯に通っている。 先月末に大学の企画で金沢に行った(本当は何かの委員として派遣されたらしいのだが、自分の所属するセクトは仕事がなさすぎて単に国費で金沢旅行…

Mi Refugio / Mosalini Teruggi Cuarteto/ Tango de HoY

www.youtube.com 去年の10月に招待券をもらって武蔵境でやるタンゴのコンサートに行った(場所が場所だから交通費で結局普通のオケの学生券ぐらいの値段にはなってしまった)。 大学の同じ学科を卒業したらしい早川純さんっていうバンドネオン奏者と、ロンド…

脚気とカリフラワー

一人暮らしはじめてからカリフラワーを一度も口にしていない気がする。 今日はタコをすごく久しぶりに食べたんだけど、ラム肉とか、ふきとか、舌びらめとか、じゅんさいとか、めかぶとか、こうなんかパッとしない、あってもなくても変わらないような、そうい…

まつ

原稿用紙3枚にも満たない超短篇です。1年前ぐらいだったか、とある連作企画に寄せたやつで、主人公は「海辺のバス停」です。結局計画倒れでした。若干の改作を加えています。文体がいまにもまして痛い。 まつ 終バスがいってしまって、ぼくはいつもひとりに…

短歌

図書委員の会報みたいなやつに載った短歌です。明るさの自動調節満月のみずうみをうす明き千の兵士の薄氷ふんでゆくふゆ三月のでんきうなぎは泥の中こぽりこぽりと夜ごとかがやく船室のシチューの皿にとけてありさめてゆく声(そこにいますか)おとうとを鳥に…