逆さクラゲ

長い文章

雑記 7/28

すれ違う人みなが一様に醜く、彼ら彼女らの欠点や不快感が10倍にも20倍にもなって強烈にたちのぼり嗚咽をもたらすにおいとして迫ってくる、にきびが多い、笑顔が汚い、口から牡蠣の燻製のにおいがする、電車の中にいて歯くそをとる(指で)、笑い声がアトランティス大陸の怪鳥のようにうるさい、靴下はいたままサンダル履く、しっぽ切られた猫に夜中こっそり餌をやっているところ見られてきっと睨み返してくるタイプのおばさんだ、包皮に挟まった陰毛みたいに手の施しようがなくはがゆい持続的なストレス、車だってそうで、道が狭い、そんなスピードでおれのパーソナルスペースをサッと侵してゆくな、おれは冒涜されたみたいだ、どうぞっつってんだろじゃねえっつってんだろ、めんどくさいから右折車はおれもう後ろに回って通ることにしてて、それはそれでバックとかされたら何だけど、免許持ってる人からしたらアレなんだろうけど、道交法に対するリテラシーがないのですいません、気遣いは不快な思いをしないためのものです、電車で座ってて妊婦や老婆が目の前に立ってたら気まずいだろさすがに、老人は嫌いです、子供は嫌いです、だから譲りませんって絶叫できたらどんなにか、それによってもたらされるより不快な結末が恐ろしいのだ、座席を譲らないことだけで空気の密度が不当に増すのが恐ろしいのだ、譲ったら譲ったで親切な若者として感謝を強制するようにずうずうしく自分があるのが恐ろしいので降りるようなふりをして隣の車両に移ってしまうのだ、社会的弱者などがかなりやっかいなお邪魔キャラとしてある。おれはずっと自分の部屋にいて、そこで向き合う幻想の一種として、誰も見ぬまま、誰にも見られぬまま、景色が変わったり移動したりしたいのに、長崎とかも行きたいのに、勝手に視界に入ってくる、おれのことを見る多くの人、欠点を強調するように変形させられたキッチュの世界の人々、そのどろりと黄色い不潔な白目をこっちに向けるな、黄色い白目ってどうなんだ、矛盾だろそれは、おれは見世物じゃねえぞ、お前自身が矛盾の化け物なんだよ、世界全部がパーソナルスペースで、靴も脱がずによくずけずけと、たまにチャリの鍵を玄関のドアに挿しちゃうんだけど、その二本で一緒にまとめてるから、部屋がチャリならいいのに、家庭用サイズのハウルみたいな、自動じゃなくていいから、カルシファーもいなくていい、いた方がいいけど、自動の方が楽だけど、魔法使えろおれは、知るかよ、ほっといてくれ、せめて何らかの下心さえあればおれの自閉傾向にもかたがつくのに、つかねえよ、それは生まれつきだから。下心がないのは無欲とは違うのだ。欲望には溢れている、なにもしないで一生寝ていながらたまに遠くに行ったり美味しいものを食べられればいいのにと思う、考えようによっては最悪の貪欲。土台になるような気持ちもない、ふわふわとして不愉快な生活。自分の問題にとってもそれ以外ぜんぶにとっても意味のあるものをまったく生み出せないままで、7月が終わる、10代が終わろうとしている、死刑執行の日は刻一刻と近づいてくる(死刑執行の日はつねに刻一刻と近づいてくるものであってつまりこれは一個の紋切型である)、おれはなにひとつ形にできない、どうせすぐ8月がくる。9月がくる。10月がくる。11月。12月。気づいたら20歳です。絶望的だ。みんなすぐに死ぬ、死をダシにした「感動」からどれだけ目をそらしても逃げられない、感情の実用書どもが、そういうことからだっておれにはわかる、メメントモリってめっちゃいっぱいの人がめっちゃ言うけど、ゲシュタルト崩壊とか、シュレーディンガーの猫とか、そのへんもう時代遅れだろうな、パブロフの犬不気味の谷、スワンプマン、わかんないけど、オタクが好きなやつ、そういう、言ってるだけでかっこいいみたいな、黒着てればかっこいいみたいな、会話よりもずっと多くの時間を書物や端末に捧げてきた者特有の猫背で、メメントモリメメントモリ呪文のように唱えてれば神の国が来たりて救われると思ってるんじゃないだろうな、死、死、死、死を忘れるな。日本語でおk。おkってわざわざフリックで入力してるのほんとアホ臭いよ、おれにはそんなことをしているような暇があるのか、あといまだに「おk」とか言ってる人どれくらいいるだろうね、どこまでも、どこまでも面白くない、会話するには5分と耐えられないような、そんな人なんだろうけれども、そんな人にはコンテンツ性があるから、そんな人は、どこで暮らしてきたらそうなるんだ、マダガスカルかどこかの島国の領土、さらに辺境の島にいて、今なお腰蓑一枚で石器時代の生活守ってる部族みたいな、そういうコンテンツ性です、おれもそんな人なのかな、知らないけど。猫背はひどいです。近くにいて内輪ネタとか中途半端に面白くない人、そっちのほうがよっぽどきついです、おれには。お前だよ。お前。お前たち。嘘です、おれの身の回りにはそうしたひとはひとりもおりません、たいへん面白い友人にかこまれておれは幸せです。おれは働け、もっと真摯に諸々の問題と向き合え、いかなる思想にも揺らぐことのない強固な自己肯定の塔を造りあげろ、わざわざ祝祭的な太陽光線を避けて部屋にこもり、そのための夏じゃなかったのか。10代最後の。