逆さクラゲ

長い文章

【短歌】うくらいな

去年主宰した文芸誌に寄稿した短歌です。前に書いたやつがかなり混じっている。あと短編載せたのはもし気が向いたら手直ししてどうこうするかも。文芸誌今年もできたらよかったけど、ものごとを続けるのにはそれなりのエネルギーがいるし、おれにはそれがあんまりなかった。以下本文

 

 

 

平原に陶笛を吹くわらべあり ウクライナ、うくらいな、ウクライナ


牡蠣をかむわたしがかつて牡蠣だったころふいていたきんのうみかぜ


環礁の博物館跡地に寄せる汀 プレシオサウルスよ征け


たまきはる右前肢第二指中手骨ただそれだけでステゴとわかる


ひさかたの光の道とか二限目を抱いて河原を駆け抜けていた


居明かしてしろくまおとこのまんまるのへそのあたりの毛皮のにおい

 

 

 

ドアがない場所に逃げ込みゼラチンを鍋で溶く 汗にじみでる汗


視神経ちぎる音ばかり70分つめこまれているCDを焼く


防ぎようのない雑音のみがあり斜めの机に置きて読む本


耳をふさげ生れつき骨病みし猫・悲痛を負いしわれら人の子

 

 


夾竹桃の隊列来り ※[工業高校入口(時差式)]を参照


オリオンのほうへと息をはく女、白磁の色のきる歯つぶす歯


母親を鳥にさらわれたこどもだけならんでください 絹の雲梯


貝塚の貝ひとかけをはがしとり靴職人の訃報など聞く


ゴシック体かぎかっこではすくえないたましいがいてしたたるゆうべ


船室のシチューの皿にとけてありさめてゆく声(そこにいますか)